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「陰部に白いできもの」ができる原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

「陰部に白いできもの」ができる原因はご存知ですか?医師が徹底解説!
陰部に白いできもので身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。
石川 智啓

監修医師
石川 智啓(医師)

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2013年名古屋大学医学部卒。初期研修修了後、JCHO中京病院泌尿器科、小牧市民病院泌尿器科を経て、現在名古屋大学医学部附属病院泌尿器科で勤務。日本泌尿器科学会専門医、da Vinci Surgical System コンソールサージャン・サーティフィケートの資格を有する。

「陰部に白いできもの」ができる原因と対処法

この記事では、陰部に白いできものができる原因と対処法について解説します。

【男性】陰部に白いできものができる原因と対処法

男性の陰部に白いできものは、尖圭コンジローマや性器ヘルペスといった感染症が原因として挙げられます。 毛穴のある位置に一致し、膿を伴った赤みのあるできものの場合には、毛包炎・毛嚢炎かもしれません。これらは、毛穴の奥の毛根を包んでいる部位に起こる炎症です。 対処法としては、まずは患部を清潔に保ちましょう。痛みや腫れが悪化する場合、泌尿器科を受診しましょう。 他、フォーダイス斑という皮脂腺の塊、つまり脂肪の塊である可能性もあります。これは特に痛みやかゆみは伴わない良性のできものです。しかし、気になる場合には皮膚科医などと相談し、治療を選択することも可能です。

【女性】陰部に白いできものができる原因と対処法

女性の陰部に白いできものができる原因としては、尖圭コンジローマや性器ヘルペスといった感染症などが挙げられます。また、腟カンジダという真菌(かび)の異常増殖が原因となる病気では、カッテージチーズや酒粕のような、白くポロポロとしたおりものが出ることがあります。これはできものではありませんが、勘違いしてしまう場合もあるでしょう。 その他、硬化性苔癬(こうかせいたいせん)というかゆみを伴う白い斑点が現れる皮膚疾患もあります。 さらに、女性の腟にはバルトリン腺という分泌腺があります。この開口部が詰まって、分泌液が溜まった状態をバルトリン嚢胞といいます。女性の陰部の白いできものに腫れや痛みを伴う場合、バルトリン嚢胞に炎症が生じ、膿が溜まったバルトリン腺膿瘍かもしれません。 痛みや腫れが強い場合には、早めに婦人科や皮膚科を受診しましょう。 フォーダイス斑も女性の陰部にできる白いできものとして考えられます。

陰部に白いできものがあり、痛い原因と対処法

陰部にできる白いできものが痛い場合には、性器ヘルペスや毛包炎・毛嚢炎、バルトリン腺膿瘍などが考えられます。 痛みが強ければ感染している恐れもあります。早めに医療機関を受診しましょう。 痛みを和らげるため冷やす、または痛み止めを服用することが有効な場合があります。しかし、抗ウイルス薬が必要なことがあるため、自己判断は避け、泌尿器科または婦人科を受診しましょう。

陰部に白いできものがあるが、痛くない原因と対処法

陰部に痛くない白いできものができる場合には、フォーダイス斑や毛包炎の初期などが考えられます。 痛みがない場合でも放置すると悪化するリスクがあるため、できものが消えず不安な場合は医療機関に相談しましょう。 患部を清潔に保ち、自己判断でつぶさないことが大切です。

陰部に白いできものがあり、かゆい原因と対処法

陰部に白いできものがあり、かゆい場合には、硬化性苔癬や腟カンジダなどが考えられます。 腟カンジダの症状の一つに、カッテージチーズ様の腟分泌物があります。これが一見できものに見えることもあるかもしれません。 こうした症状が続く場合には、婦人科や泌尿器科、皮膚科を受診しましょう。

陰部に白いできものがあるが、かゆくない原因と対処法

陰部に白いできものがあるものの、かゆくない場合は フォーダイス斑や毛包炎の初期などが考えられます。かゆみ がない場合でも、できものが消えない、あるいは増えていくなどの状態がみられる場合は医療機関に相談しましょう。 陰部を清潔に保ち、蒸れないように心がけましょう。

すぐに病院へ行くべき「陰部に白いできもの」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。 応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。 以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

激しい痛みや膿が出ている、発熱が伴う場合は、泌尿器科または婦人科へ

以下のような症状がある場合には、早めに医療機関を受診しましょう。 ・激しい痛みがある場合:性器ヘルペスや細菌感染が疑われます。 ・膿が出ている場合:毛包炎や膿疱症の疑いがあります。 ・発熱を伴う場合:重度の感染症が考えられます。 泌尿器科または婦人科が受診科目として適切です。

受診・予防の目安となる「陰部に白いできもの」のセルフチェック法

・激しい痛みがある場合 ・膿が出ている場合 ・発熱を伴う場合

「陰部に白いできもの」が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「陰部に白いできもの」に関する症状が特徴の病気を紹介します。 どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

梅毒

梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌が原因で感染する、性感染症の一つです。 感染後数週間で、梅毒トレポネーマが侵入した部位(口の中、肛門、性器など)にしこりや潰瘍ができることがあります。そけい部のリンパ節が腫れることもあります。痛みなどはなく、自然に消失しますが、無治療では症状が進行し、数ヶ月後、数年後に再度症状が現れる場合もあります。 治療は、ペニシリン系の抗生物質の投与です。 適切に治療を行わないと、妊婦から胎児に感染し死産や早産、新生児死亡の原因ともなります。また、生まれた時から赤ちゃんに梅毒が感染している先天梅毒になる恐れもあります。 性行為後に陰部にしこりが現れた際は、梅毒の可能性も考え、泌尿器科や婦人科を受診しましょう。

性器ヘルペス

性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス(HSV)の感染によって、性器やその周囲に水ぶくれや潰瘍などの病変が生じる病気です。再発が生じやすいのが特徴です。 感染後2〜21日で外陰部に違和感やかゆみが現れ、その後、発熱や全身のだるさ、リンパ節の腫れ、強い痛みを伴う潰瘍や水ぶくれが急に出ます。男性は包皮や亀頭、女性は外陰部や子宮頸部に症状が出やすいです。まれに髄膜炎を引き起こすこともあります。 治療しない場合、回復には2〜4週間かかります。女性では排尿や歩行が困難になり、入院が必要になることもあります。 治療法は、抗ウイルス薬(アシクロビルなど)の投与となります。 前述のような症状があり、性器ヘルペスが疑われる場合には、泌尿器科や婦人科を受診しましょう。

尖圭コンジローマ

尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)が原因となる、さまざまな色のイボ状の病変が特徴の病気です。 20歳代の男女に多いです。症状はほとんどない場合が多いですが、かゆみや痛みを感じることもあります。放置しておくと、イボが広がったり、パートナーにも感染させたりする恐れもあります。泌尿器科や婦人科を受診するようにしましょう。治療には、外科的な治療法と、薬による治療法があり、組み合わせて行われることもあります。

硬化性苔癬

硬化性苔癬は、皮膚が白く硬くなる慢性的な炎症性皮膚疾患です。主に外陰部や陰茎に発症し、白色の斑点や隆起が見られます。女性に多い傾向がありますが、男性にも発症します。原因は明らかではありませんが、自己免疫疾患の一種と考えられています。 症状の特徴としては、かゆみや痛みを伴うことがある白色の皮膚変化(斑点やしこり)があります。皮膚が薄くなり、裂けやすくなる、悪化すると排尿時の痛みや性交痛が生じることもあります。 初期段階ではステロイド外用薬が有効です。進行している場合は免疫抑制剤が処方されることがあります。定期的に医師の診察を受けることが重要で、悪化すると外科的治療が必要になることもあります。 皮膚科または婦人科・泌尿器科で診察を受けましょう。

毛包炎

毛包炎は、毛穴に細菌が感染し、炎症を起こすことで発症します。毛穴の詰まりや剃毛が原因となることが多く、白い膿を持ったできものが特徴です。 軽度の場合は自然に治癒することもありますが、炎症が強い場合は抗菌薬の軟膏や飲み薬が処方されます。悪化した場合は皮膚科での切開排膿が必要になることがあります。 皮膚科または泌尿器科が適切です。

「陰部に白いできもの」の正しい対処法は?

軽いかゆみや炎症であれば、市販の抗菌軟膏やかゆみ止めで対応可能です。ただし、痛みや腫れが強い場合、膿が出る場合は市販薬に頼らず早めに病院を受診しましょう。 日常生活の注意としては、入浴後は患部を清潔に保ち、きちんと乾燥させることなどがあります。また、できものが気になっても触らないようにしましょう。 応急処置をしても症状が悪化する場合は、早めに皮膚科や泌尿器科を受診してください。

「陰部に白いできもの」に塗り薬を塗っても良い?

軽度の症状には塗り薬が有効ですが、悪化している場合は使用を控え、医師の指示を仰ぎましょう。

「陰部に白いできもの」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「陰部に白いできもの」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

陰部にニキビのようなできものができたのですが、どんな原因が考えられますか?

石川 智啓石川 智啓 医師

毛嚢炎や脂肪腫が原因の可能性があります。痛みがある場合は感染症(性器ヘルペスなど)も考えられるため、早めに受診しましょう。

まとめ

陰部に白いできものができた場合、自分で判断せず、早めに医療機関を受診することが大切です。症状の有無に関わらず、異変を感じたら迷わず専門医に相談しましょう。

「陰部に白いできもの」で考えられる病気

「陰部に白いできもの」から医師が考えられる病気は9個ほどあります。 各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

感染症・皮膚疾患系の病気

婦人科の病気

  • 腟カンジダ症
  • バルトリン腺嚢胞
  • 硬化性苔癬

その他の病気

  • アテローム(粉瘤)
  • フォーダイス斑
陰部に白いできものができる原因は多くみられます。気になる場合は、泌尿器科や婦人科、皮膚科を受診しましょう。

「陰部に白いできもの」に似ている症状・関連する症状

「陰部に白いできもの」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。 各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 膿がでる
  • かゆみがある
  • 痛みがある
  • そけい部のリンパ節が腫れる
  • しこりができる
陰部に白いできものに加えて上記のような症状がある場合、感染症の可能性もあります。医療機関を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。

この記事の監修医師

OSZAR »