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「眼精疲労で頭痛が起きやすい原因」とは?発症しやすい人の特徴も解説!【医師監修】

 公開日:2025/05/19
「眼精疲労で頭痛が起きやすい原因」とは?発症しやすい人の特徴も解説!【医師監修】

スマートフォンやパソコンが普及した現代、眼精疲労を感じる方は多いのではないでしょうか?眼精疲労は頭痛などの症状を引き起こし、日常生活に支障をきたすこともあります。

眼精疲労を避けるためには、その原因や対処法を正しく理解することが大切です。この記事では、眼精疲労と頭痛の関係性や眼精疲労の原因・セルフチェック・対処法について詳しく解説します。

デスクワークが多く、日頃から眼が疲れて困っている方は、ぜひ参考にしていただけると幸いです。

柳 靖雄

監修医師
柳 靖雄(医師)

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東京大学医学部卒業。その後、東京大学大学院修了、東京大学医学部眼科学教室講師、デューク・シンガポール国立大学医学部准教授、旭川医科大学眼科学教室教授を務める。現在は横浜市立大学視覚再生外科学教室客員教授、東京都葛飾区に位置する「お花茶屋眼科」院長、「DeepEyeVision株式会社」取締役。医学博士、日本眼科学会専門医。

眼精疲労の原因やセルフチェック方法

スマートフォン

眼精疲労の原因を教えてください。

眼精疲労は、主にスマートフォンやパソコンといったディスプレイを長時間見続けることで起こります。現代は会社員の90%以上が仕事でパソコンを使用しており、ほとんどの方がディスプレイを毎日のように見ています。したがって、眼精疲労は多くの方にとって身近な症状といえるでしょう。ほかにもドライアイ・緑内障・白内障・眼瞼下垂などの眼の病気や、メガネの度数が合っていない、更年期障害・自律神経失調症などの身体の不調が眼精疲労の原因となることもあります。

眼精疲労になりやすいのはどのような方ですか?

普段からスマートフォンやパソコンを長時間使用する方は、眼精疲労になりやすいです。デスクワークやリモートワークをしている方は、毎日長時間ディスプレイを見ることになるため、特に注意が必要です。時間をみて適度に休憩を入れながら作業するようにしましょう。またメガネやコンタクトレンズを使用している方は、それらが自分の眼に合っていないと眼精疲労のリスクが高くなります。もし眼が疲れやすいと感じている方は、自分に合ったメガネやコンタクトレンズに調整し直すことをおすすめします。

眼精疲労のセルフチェック方法を教えてください。

以下の症状が該当する場合は、眼精疲労の可能性が高いです。自身の症状と照らし合わせて、眼精疲労のセルフチェックをしてみましょう。

  • 眼が痛んだり、しょぼしょぼしたりする
  • 眼のピントが合わせにくい
  • 眼が充血する
  • 眼が乾く
  • まぶしく感じる

また眼の症状だけでなく、身体にも以下の症状が現れることがあります。

  • 頭痛
  • 首・肩こり
  • めまい
  • 身体のだるさ
  • 吐き気

眼精疲労は、このような症状が慢性的に続くことが特徴です。適切な対処をしなければ症状はよくならず、日常生活に支障をきたしてしまうことも少なくありません。もしこれらの症状に困っているようでしたら、眼精疲労の可能性があるので眼科の受診をおすすめします。

眼精疲労で頭痛が起きやすいのはなぜ?

眼精疲労からの頭痛

眼精疲労で頭痛が起きやすいのはなぜですか?

長時間ディスプレイを見続けたり、眼に何か異常がある状態でものを見続けたりすることで眼・頭・首の筋肉に大きな負担がかかり、筋緊張性頭痛が誘発されます。緊張性頭痛は、片頭痛のように脈打つ痛みとは異なり、締め付けられるような痛みが特徴です。緊張性頭痛がひどくなると、吐き気を伴うこともあるため、早期の治療が大切です。眼精疲労による緊張性頭痛を治すためには、原因である眼精疲労に対処する必要があります。

眼精疲労による頭痛が起きた場合に自分でできる対処法を教えてください。

眼精疲労が原因の頭痛を緩和するためには、原因である眼精疲労を軽減させることが重要です。長時間ディスプレイを見ている場合は、こまめに休憩を取りましょう。適度な休憩を取ることで、眼精疲労の緩和が期待できます。1時間連続でディスプレイを見続ける場合は、10〜15分程度眼を休めることをおすすめします。ほかには眼の周りをホットタオルなどで温めるのも有効です。眼の周りを温めることで、眼と周りの筋肉の血流がよくなり、コリをほぐすことができます。ただし眼が充血している場合は逆効果なので、濡れタオルなどで冷やし、炎症を抑えるようにしましょう。また、眼の周りのマッサージもおすすめです。眼の周辺のくぼんだ骨部分を、指で優しく押してあげましょう。眼の周りの筋肉がほぐれて、眼精疲労に効果的です。

市販の頭痛薬を使用しても大丈夫ですか?

眼精疲労による緊張性頭痛には、市販の頭痛薬を使用できます。緊張性頭痛に対しては、一般の鎮痛剤は有効といわれています。頭痛薬の用法用量を守って、正しく使うようにしましょう。一方で今まで感じたことのない頭痛・徐々に悪化する頭痛・手足が動かしにくくなるなど身体症状を伴う頭痛の場合は、くも膜下出血や脳出血といった重大な疾患の可能性もあるので、早めに病院の受診をおすすめします。ご自身で判断が難しい場合も、病院で診断してもらいましょう。

眼精疲労の治療方法や予防方法

アイマスクをする女性

眼精疲労で眼科に相談する目安を教えてください。

眼精疲労によって生活や仕事に支障が出るようであれば、眼科に相談することをおすすめします。眼精疲労はマッサージなどのセルフケアや、眼を休める時間を作るといった生活習慣の見直しで改善することもあります。それらを試しても、生活や仕事に影響が出るほどの眼精疲労であれば、我慢せずに眼科を受診するようにしましょう。なお、眼の病気が隠れている場合はセルフケアによる改善は見込めないため、眼科の専門的な治療が必要になります。

眼科ではどのような治療を行いますか?

眼科では、まず眼精疲労の原因を探り、その原因に合わせた治療を実施します。眼精疲労の原因が、メガネの不適合の場合はメガネを調整しますし、ドライアイや緑内障などの眼の病気がある場合はそれらの治療を行うことが多いです。眼の検査で原因が特定できない場合は、全身疾患や心疾患によるものを疑い、全身の検査を行うこともあります。眼精疲労のための治療薬は現在ありませんが、効果が期待されるビタミン剤が含まれた点眼薬や内服薬が処方されることもあります。

眼精疲労の治療を受ければ頭痛も改善しますか?

眼精疲労が原因の頭痛の場合、眼精疲労の治療を受けることで頭痛は改善するでしょう。眼精疲労がよくなると、緊張性頭痛の原因である眼・頭・首の筋肉の負担が減るため、頭痛の軽減が見込めます。もし眼精疲労を治療しても頭痛が改善しない場合は、別の病気が隠れている可能性があります。頭痛が続く場合は、くも膜下出血や脳出血といった脳の病気のケースもあるため、早めに脳神経内科・外科などの専門医院を受診しましょう。

眼精疲労を予防する方法を教えてください。

ディスプレイを見る作業では、適度な休憩を取りましょう。具体的には、1時間以上連続で作業しない、もし1時間以上作業したい場合は1時間毎に10~15分の休憩を取ることが大切です。そうすることで眼の負担を抑えることができます。さらに、ディスプレイに近づきすぎないことも大切です。40cm以上はディスプレイから眼を離すようにし、見にくい場合は必要に応じてメガネによる矯正を行いましょう。ディスプレイは目線と同じか少し低い位置に設置し、作業しやすいように角度や位置を調整します。このように正しい姿勢で作業することで、眼や肩の負担が減り、眼精疲労の予防につながります。ほかには、照明やディスプレイの明るさにも気をつけましょう。照明は机上の明るさが300ルクス以上になるように調整し、ディスプレイは輝度やコントラスト調整機能で眼に負担のかからない明るさに調節します。これらの方法は簡単に取り入れられるため、デスクワークの多い方はぜひ試してみることをおすすめします。

編集部まとめ

パソコンを使う男性

眼精疲労はスマートフォンやパソコンを長時間見続ける方や、メガネが合っていない、何かしらの眼の病気にかかっている方に多く見られる症状です。

眼精疲労では、眼が痛い・しょぼしょぼする・充血する・ピントが合わせにくいといった眼の症状や、頭痛・肩こり・めまいといった身体の症状があります。

また、眼精疲労によって頭痛も誘発されます。その場合は、眼の周りを温める・マッサージをする・市販の頭痛薬を飲むことで、頭痛を軽減できるでしょう。

ただし、生活に支障をきたすほど眼精疲労や頭痛が辛い際は、早めに眼科の受診をおすすめします。

ディスプレイは長時間見続けない、ディスプレイと眼の距離を適切に保つなど、ちょっとした工夫で眼精疲労の予防が可能です。

スマートフォンやパソコンはとても便利なものですが、眼精疲労のような弊害もあるため、気をつけて使用するようにしましょう。

この記事の監修医師

OSZAR »