目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 配信コンテンツ
  3. 「アスペルガー症候群の症状」はご存知ですか?大人と子どもでの違いも解説!【医師監修】

「アスペルガー症候群の症状」はご存知ですか?大人と子どもでの違いも解説!【医師監修】

 公開日:2025/05/10
「アスペルガー症候群の症状」はご存知ですか?大人と子どもの症状の違いも解説!【医師監修】

アスペルガー症候群は、対人コミュニケーションや社会的スキルに課題を抱える発達障害の一つです。具体的な症状には、会話や対話の際の空気の読みにくさ、興味の偏り、繰り返し行動などが挙げられます。
本記事ではアスペルガー症候群の症状について紹介します。

※この記事はMedical DOCにて『「アスペルガー症候群の特徴や症状」はご存知ですか?大人と子どもの症状の違いも解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

伊藤 有毅

監修医師
伊藤 有毅(柏メンタルクリニック)

プロフィールをもっと見る
専門領域分類
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医

アスペルガー症候群の症状

アスペルガー症候群の症状

アスペルガー症候群の特徴や症状はどのようなものがありますか?

アスペルガー症候群(現在は自閉スペクトラム症の一部)は、以下の特徴や症状が見られます。

社会的コミュニケーションの困難
アスペルガー症候群の方は、表面的には会話ができても、暗黙のルールや行間を読むのが苦手です。そのため、言葉を文字どおりに解釈してしまい、誤解が生じやすく、相手を意図せず傷つけてしまうことがあります。また、複数人がいる場面で誰が話しかけているのかを理解しづらい場合もあります。

対人関係の困難
周囲の感情やその場の雰囲気を読み取るのが難しく、相手に寄り添った言動ができないことが多いようです。そのため、意図せずに自己中心的と思われたり、場違いな発言をしてしまうことがあり、結果として対人関係がうまくいかないことがあります。

こだわりの強さ
一部の物事に強いこだわりを持ち、それに過度に集中する傾向があります。興味を持ったことに対しては熱中し、ほかのことが目に入らなくなることも多いとされています。また、規則性やパターンを好み、変化や予定の変更に対して強い不安や混乱を感じることがあります。

感覚の偏り
五感に対して過敏または鈍感であることが多く、音や光、匂いに敏感だったり、服の肌触りに強いこだわりを持つことがあります。感覚の過敏さが日常生活に影響を及ぼすこともあります。

このような特徴から、アスペルガー症候群の方は対人関係や社会的状況で困難を抱えることが多く、そのために適切なサポートが必要です。

アスペルガー症候群の併存症について教えてください

アスペルガー症候群の患者さんは、ほかの精神疾患や身体的な疾患を併存していることが多いとされています。約70%以上の方が1つの精神疾患、約40%以上の方が2つ以上の精神疾患を持つとされています。なかでも、ADHDや発達性協調運動症、学習障害がよく見られます。

さらに、医学的な併存症としては、睡眠障害、便秘、てんかんなども合併しやすい傾向があります。

アスペルガー症候群の大人と子どもの症状の違いを教えてください

アスペルガー症候群の症状は、子どもと大人で共通している部分もありますが、年齢によって表れ方に違いがあります。

子どもの頃は、対人関係やコミュニケーションの難しさから、友達ができにくかったり、同じことにこだわり続けたりすることで、学校生活でのいじめや孤立を経験することがあります。しかし、周囲の大人や学校からのサポートを受け、一定のルーティンにしたがって生活することで問題が目立ちにくいこともあります。

一方、大人になると、就職や職場でのコミュニケーションが増え、上司や同僚との対話や場の空気を読む能力が求められます。そのため、元々の症状が職場での人間関係や仕事に影響を与えることが多くなり、大人になって初めて問題に気付くケースもあります。

編集部まとめ

アスペルガー症候群 症状

ここまでアスペルガー症候群の症状についてお伝えしてきました。アスペルガー症候群の症状の要点をまとめると以下のとおりです。
・アスペルガー症候群は、自閉症スペクトラムの一部に分類される発達障害のことである
・アスペルガー症候群の症状は、社会的コミュニケーションの困難、対人関係の困難、こだわりの強さ、感覚の偏りなどが挙げられる
・アスペルガー症候群は、根本的には治癒できないが、適切な支援と環境調整により、症状を緩和し生活の質を向上させられる
アスペルガー症候群は、自閉スペクトラム症の一部であり、対人関係や社会的スキルに困難を抱える発達障害ですが、適切なサポートを受けることで、日常生活での困難を減らし、生活の質を向上させられます。
これらの情報が少しでもアスペルガー症候群の症状について知りたい方のお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修医師

注目記事

OSZAR »