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「糖尿病」の診断基準をご存じですか?治療法についても解説!【医師監修】

 公開日:2025/06/24
糖尿病の診断と治療

「人生100年時代」といわれている現代で問題視されているのが生活習慣病です。生活習慣病は食事や睡眠などの生活習慣の中で発症する病気のことをいいます。

こうした生活習慣病を防ぐために脂質や糖質などの栄養素には上限量や推奨量などが設定され、改善のために健康診断や栄養指導などが行われているのです。

今回はそんな放っておくと大きな病気にもなりかねない生活習慣病の1つ、糖尿病について解説していきます。

糖尿病の診断を受けている人も、ならないように気をつけたいという人もぜひ参考にしてみてください。

※この記事はMedical DOCにて『「糖尿病」とは?食事・原因・予防法・合併症についても解説!医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

プロフィールをもっと見る
1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

糖尿病の診断と治療

血液検査

糖尿病の診断基準を教えてください。

  • 糖尿病には血液検査が用いられ、主な診断基準としては以下のようなものがあります。
  • 早朝空腹時血糖値:126mg/dL以上
  • 随時血糖値:200mg/dL以上
  • ヘモグロビンA1c:6.5%以上
  • 75g経口ブドウ糖負荷試験:200mg/dL以上
  • ちなみに項目ごとの説明をしていくと、早朝空腹時血糖値は夕食から8時間以上おいた翌朝の早朝に血糖値を測ります。何も食事を摂取していない状態でどの程度の血糖値であるかを調べるわけです。反対に随時血糖値は時間帯などの縛りをせずにありのままの血糖値を調べます。
  • ヘモグロビンA1cは赤血球内のたんぱく質の1つであるヘモグロビンの中でどの程度のヘモグロビンが血糖の影響を受けているかを示す値です。高ければ高いほど多くのヘモグロビンが血糖の影響を受けていることになり、糖尿病の疑いが強くなります。
  • そして75g経口ブドウ糖負荷試験は75gのブドウ糖を摂取してから2時間後にどのような状態になっているのかを調べる検査です。このようにあらゆる項目の値から糖尿病の診断は下されています。

糖尿病ではどのような治療を行いますか?

  • 糖尿病の治療は完治ではなく、血糖のコントロールを目的として行われます。その方法として行われるのが以下の3つです。
  • 食事療法
  • 運動療法
  • 薬物療法
  • 食事療法では糖質の制限をするだけではなく、急な血糖の上昇などを防ぐことも大切です。最初に野菜を食べ、最後に炭水化物をとるようにすると糖の吸収が緩やかになり、血糖値の急な上昇も防げます。あとはよく噛んで食べると満腹中枢が刺激されて食べ過ぎを防げます。
  • 運動療法は特に生活習慣や肥満などが原因として挙げられる2型糖尿病にはもちろん1型糖尿病の人にも有用です。筋トレと一緒に有酸素運動も行うことでより効果的になります。
  • 薬物療法としては飲み薬である経口血糖降下薬と自己注射によるインスリン注射が主です。血糖値を下げる薬には糖尿病の状態や原因にあわせて多くの種類があります。内服薬とインスリンを併用する場合もあるので、どの方法を選ぶかは患者さんの状態などによって判断します。

飲み薬やインスリン注射は一生続けることになりますか?

  • 冒頭で解説したように糖尿病は「治る病気」ではありません。一度罹った場合には「治すこと」ではなく「上手く付き合って生きていく」ことを目標に治療が行われます。そのため食事・運動療法に「いつまでも」付き合っていくものとして考えておきましょう。

シックデイについて知りたいです。

  • 糖尿病の患者さんは基本的に免疫力が低下している状態にあります。そのため感染症などによって下痢や食欲不振などの体調不良を起こす人も多いです。そういった一時的な体調不良の状態をシックデイといいます。シックデイになったらなるべく消化の良いものを摂取し、医療機関に相談しましょう。

編集部まとめ

喜ぶ女性
いかがでしたか?今回は私たちにとって身近な病気である生活習慣病のうちの1つ、糖尿病について解説しました。

糖尿病は放っておくと合併症や失明・体の一部の切断など、「血糖値が高くなる病気」としての認識だけだと恐ろしいことになるのが分かっていただけたかと思います。

糖尿病は生活に身近な病気であるからこそ、生活習慣の改善によって防げる病気です。日頃の生活習慣を見つめなおして糖尿とは無縁の生活を目指しましょう。

この記事の監修医師

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